部屋に置いてあるテーブルの足に指先をぶつけたときの痛さは、涙が出るほど痛いもので、置いたのは誰だと怒っている。だが、家族の誰かがぶつけた時は、「注意したら」程度に済ませてしまう。本当に自分勝手である。
医師で作家でもある鎌田實さんは、「医療には優しさがなければならない。そして、その優しさとは、他者への想像力そのものだ」と言われた。
これは、医療にだけ言えることではなく、この世のすべてに言えると感じる。身勝手さは、人間の本性であろう。しかし、そのことに痛みを感じられた時、他者の痛みが自ずと想像でき、ともに生かされているという心が開かれてくる。 (い)
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