通信会社のCMに三太郎と鬼が登場する。昔のイメージとは異なり、仲良く付き合っている姿が微笑ましい。昔話では、鬼(嫌いなもの)を自分の敵として追い払い、仲間(好きなもの)を寄せようとしている。
自分を振り返ると、日々の暮らしの中で好きなものは、他人から自分に寄せようとしてはいないだろうか。また、嫌いなことは自分に来させないために、他人に押しつけようとしてはいないだろうか。思い通りにならないと、相手を鬼と見ることになる。
仏の教は、そういう自身の姿を照らしだしてくる。他人も私も、お互いに相手を鬼と見ていることに気づかしめるのである。眼差しを外ではなく、内に向けさせるのが教えである。
この記事へのコメントはありません。