苦は時に 予想と事実との 齟齬から生ずる ~蜂屋賢喜代~

今月の言葉

苦は時に
予想と事実との
齟齬から生ずる

 「齟齬」とは、“くいちがい”のことである。全てが自分の予想通りになるとは、端から誰も思ってはいない。しかし、自分にとって関心の高いことなどが、予想に反した結果になると、その事実を受け入れられず、モヤモヤした気持ちに苦しめられる。人間関係でも、相手に対する思いが大きいほど、くいちがいが生じると「あんな人だとは思わなかった」と恨み節が湧く。
 よくよく考えてみれば、自分の都合に立った身勝手な“アテ”が外れただけなのだが、自らの予想が自らの理想だからこそ、素直に事実と向き合えなくなる。詰る所、苦しみの元凶は自分にある、ということなのだが、それが認められない私の根性に、いつもモヤモヤしてしまう。

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