捨てきれない荷物の重さまえうしろ ~ 種田山頭火 ~
種田山頭火の生涯は、想像を絶する喪失の歩みであった。「捨てきった」はずの彼が行乞の果てに見た風景からは、捨てきれない過去の記憶と未来への思い、日々出遇い続ける人の交わりが感じとれる。
「無縁社会」などとうそぶいたところで、所詮人は一人では生きられない。その事実を「身」とよぶ。身は必ず場所に伴い、その場所を「土」とよぶ。たとえあなたがいま、さすらいの身だとしても、存在している土、すなわち今の居場所が身を育む場として受け取められているかどうかが大切である。
ひと一人では測り知れない世界から、いま与えられている土を想い、我が身について考える。そこから本当の未来は拓かれる。
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