癌の友人にどう言葉をかけたら?

もしもし相談2015年12月 友人が末期癌になり、入院しています。お見舞いに行くのですが、落ち込んでいる彼女に何と言ったらよいのか、かける言葉がみつかりません。彼女を見ているといたたまれなくなり、いつも沈黙のまま「また来るね」とだけ言って帰ってきます。彼女に元気になって欲しい、心安らかであって欲しいと思うのですがどんな言葉をかけたらいいでしょうか?(70歳・女性)

 お友達が末期癌で入院され、落ち込んでおられる。そのことでとても心を痛めておられるとのこと、たぶんあなたはとても心優しい方なのでしょう。また、南御堂に尋ねてくださったということは、仏教の教えに期待してくださっているのだと、うれしく思います。
しかし私にも、お友達を「元気に」し、「心安らか」にする言葉はなかなか思い浮かびません。そもそも私たちは健康な身ですから、病気の方の気持ちは分かりづらいものです。終末医療に携わっている方にお聞きすると、患者さんは日々体調が変わり、話をするのもつらいことがあるそうです。
彼女はどのような様子なのでしょうか。毎日どのように過ごされているのでしょうか。つらい時は、どのようにしても「元気に」も「心安らか」にもなれないように思います。病室を見舞われた時、彼女の様子をご覧になって、聞けそうなら彼女のその日の体調を尋ねてあげたらどうでしょう。そして「何かしたいことがあれば、出来るだけ協力するので何でも言ってね」「話したいことがあったなら、夜中でも電話してね」等、お声がけされると、彼女もいろいろ話しやすいのではないでしょうか。
そうすれば、やがてあなたがそばにいるだけで、何も話さなくても、心安らぐ豊かな時間を持って下さるのでないでしょうか。
ここで、心優しいあなたに、もう一つ心がけて欲しいことがあります。それは、あまり過度に「○○してあげよう」と考えないことです。反対に、「私は彼女から何をしてもらっているのだろうか?」と考えてみて欲しいのです。病気でベッド上の彼女が何かしてくれる? はい。実は彼女、身体全体、生命がけで、あなたにお説法してくださっているのです。「これが老・病・死・愛別離苦ということですよ」と。
お釈迦様は「諸行無常」、全てのものは移り変わる、とお説き下さいました。今は健康と若さを誇っているあなたも、すぐに老いて病になって、そして死の恐怖と不安に脅えなければならない。また、人は出会ったなら、必ず別れなければならない、と。
私の父も癌でしたが、「お釈迦様は生老病死と仰ったが、死ぬっていうのはこういう事や、よく見ておけ」と言って、やせ細った身体で亡くなっていきました。
病気のお友達は、生きた仏教をあなたに教えて下さる先生なのです。私たちは他人の死は悼みますが、健康な時はまさか自分が死ぬとは思っていません。必ず目が覚めることを前提に、夜は寝つきます。ですから朝、目が覚めても、「今日も一日、新しいいのちをいただいた」という感動がないのでしょう。
あなたは、大切なお友達と別れなければならない。大変だとは思いますが、彼女の応援団長として、最期までそばにいてあげてください。私たちも必ず往く道です。「今度は仏さまの世界で再会しようね」と、そばでお見送りいたしましょう。阿弥陀さまが、必ず見護っていて下さいますから。
でも、応援団長でいることはつらいことです。つらくなったら、そのつらさを胸に、聞法(お寺で法話を聞くこと)を始めてみてください。きっと、あなた自身のお心が開かれてくることと思います。(大橋 恵真)

い合わせ

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