混迷する現代、高光氏のこの言葉は心に響く。冷淡にも聞こえるが、奥底からくる真実味がある。
「夜明け」とは何か。それは他の誰でもない「私自身の目覚め」を指す。私が私の人生のありさまに目覚めることである。なぜなら言葉を重ねつつ「外に求め、人のせいに」するのは世の賛成派にせよ、反対派にせよ、ともに常套手段である。不安が根底にある似たもの同士が「世界の平和・人類の平等」を旗印にし、互いを罵りあい、傷つけあっても、生み出すものは憎しみと闇の連鎖に過ぎない。
この世は闇だ。ただ、その闇を作っているのは実はこの私自身なのだ。そう実感したときが、おそらく夜明けに最も近い所にいる。
この記事へのコメントはありません。