吉凶は人によりて日によらず~吉田兼好~
年の瀬が近くなると、全国の様々な「パワースポット」が注目される。初詣には有名な神社仏閣を訪れ、あらゆる「験」を担いで損なしという感覚に世代間の差は殆ど無いのかもしれない。書店には平積みで「暦」が並ぶ。現代でも六曜や方角などが「吉凶」を見極める頼りとなっている。だが鎌倉時代末期の随筆家、吉田兼好は現在の己が行いによって未来の良し悪しは左右されると指摘する。親鸞聖人は「かなしきかなや道俗の良時吉日えらばしめ」と私たちが当たり前の道理に暗いことを悲しみをもって受け止められている。12月、一年間の己が行いを振り返ってみる。さて、来年の私たちに700年前からの指摘はどう響いてくるのだろうか。